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事業場外みなし制のチェックポイント

ご質問

当社の外回りの営業社員について事業場外労働みなし制度を導入しようと考えています。もっとも,同制度は,例外的な制度なので適用には慎重な配慮が必要だと聞きました。導入にあたってのチェックポイントを教えて下さい。

回答

①所定みなしを採用しているのか,通常みなしを採用しているのかが明確か?②緊急時ではなく,定期的な電話報告や呼出し等を行っていないか?③所定みなしを採用している場合,始業時刻前,終業時刻後の内勤時間を把握しているか?④通常みなしで労使協定を締結している場合,内勤時間を把握しているか?⑤内勤時間の把握の結果,時間外労働が発生した場合,それに応じた割増賃金を支払っているか?⑥営業手当の名目で,実質上,割増賃金の不払いとなっている状況はないか?⑦外勤時間の実態がみなし時間と整合性が取れているか,定期的に検証しているか?がチェックポイントとなります。いずれにしても専門的な判断が必要になりますので,労働問題に強い弁護士のアドバイスを受けて慎重に対応してください。

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  • ①所定みなしを採用しているのか,通常みなしを採用しているのかが明確か?②緊急時ではなく,定期的な電話報告や呼出し等を行っていないか?③所定みなしを採用している場合,始業時刻前,終業時刻後の内勤時間を把握しているか?④通常みなしで労使協定を締結している場合,内勤時間を把握しているか?⑤内勤時間の把握の結果,時間外労働が発生した場合,それに応じた割増賃金を支払っているか?⑥営業手当の名目で,実質上,割増賃金の不払いとなっている状況はないか?⑦外勤時間の実態がみなし時間と整合性が取れているか,定期的に検証しているか?
  • 慎重な判断が必要

解説

1 事業場外労働のみなし労働時間制における労働時間

原則は「所定労働時間」です(労基法38条の2第1項本文)。内勤と事業場外労働とを合わせて所定労働時間内で収まる場合が該当します。就業規則に定める始業時刻から終業時刻までの時間から,休憩時間を除いた時間を労働時間として算定します。

しかし,実際にその業務を行うときに所定労働時間を超えて労働することが必要な場合にまで,超過労働時間を一切認めず,一律に所定労働時間とみなすのでは,労働実態の整合しません。そのため,その業務を行うのに,通常,所定労働時間を超えて労働することが必要な場合には「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」が労働時間としてみなされます(労基法38条の2第1項但書)。この「当該業務」とは事業場外の業務を指すということです。例えば,9時間事業場外の業務に従事する必要のある日もあれば,10時間事業場外の業務に従事する必要がある日もあるものの,平均すれば9.5時間程度であるという場合には,この9.5時間がみなし労働時間となります。そしてこの場合は,別途内勤の時間を把握する必要があります。なお,この場合に,労使協定でみなし労働時間を定めたときには,その定めた時間をみなし労働時間とします(労基法38条の2第2項)。

2 事業場外労働のみなし労働時間制の導入方法

事業場外労働のみなし労働時間制の導入方法は,まず,すべての業務が所定労働時間内で遂行可能かどうかで分かれます。所定労働時間内ですべての業務が遂行できる場合には,就業規則でその旨を定めます。所定労働時間内ですべての業務が遂行できない場合には,次の二つの方法があります。一つは,事業場外の業務を行うのに通常必要とされる時間を設定し,就業規則で事業場外労働を行う旨とみなし労働時間を定めて,上記と同様の就業規則の制定手続きを行う方法です。もう一つは,労使協定を締結する方法です。労使協定では,①対象業務,②みなし労働時間,③有効期間を定めて,その事業場の過半数で組織する労働組合または過半数代表者と労使協定を締結し,所轄の労働基準監督署長に届け出ます(みなし労働時間が法定労働時間を超えない場合には,届け出は不要です)。あわせて,就業規則で事業場外労働の定めを行い,所定の制定手続きを行います。事業場外労働の導入においては,実態に即したみなし労働時間の設定が重要になります。

3 事業場外労働と休憩,休日,深夜労働等

事業場外労働に対してみなし労働時間を適用するというのがこの制度ですが,これはあくまでも労働時間算定についての例外です。したがって,休憩,休日、時間外労働,深夜労働などの労基法の規制は,原則どおり適用となります。みなし労働時間について法定労働時間を超える労働時間を設定した場合には,時間外労働をすることにほかなりません。36協定が必要となり,時間外労働に対しての割増賃金の支払いも必要になります(労基法37条)。休日労働についても同様です。法定休日に労働した場合には,休日割増貸金の支払いが必要です。深夜労働の割増賃金の規定(労基法37条)も,同様に適用があります。労働者が現実に深夜時間帯(午後10時~午前5時)に労働した場合には,その時間に応じた割増賃金の支払いが必要です。

対応方法

1 まずは弁護士に相談!

労働時間に関し,貴社が採れる手段は,ケースバイケースに存在します。もっとも,従業員にとっても勤務条件に関わることになりますので,安易な措置はトラブルを生み,かえって貴社に混乱とコストの負担をかけることにもなりかねません。
まずは,なるべく早くご相談下さい。相談が早ければ早いほどとりうる手段は多いものです。
弁護士は,あなたのご事情を伺い,具体的対応策をあなたと一緒に検討し,最善の解決策をアドバイスします。
貴社のケースではみなし労働時間制が有効になるのか否か,具体的な対策として打つべき手は何か,証拠として押さえておくべきものは何か等をアドバイスします。

2 証拠の収集

法的措置に対応する場合はもちろん,交渉による解決を目指す場合も,証拠の確保が極めて重要になります。貴社にとって有利な証拠を出来るだけ確保して下さい。

3 労働者との交渉

まずは,法的措置に進む前に,労働者と交渉して,貴社の望む結果(残業代の減額等)が得られるようにします。
裁判に訴えられる前の交渉の時点で解決できれば,貴社にとっても次のようなメリットがあります。

①早期に解決できることにより,人的負担が回避できる。

法的手続に進んだ場合,労働者に関係する従業員(同僚・上司)はもちろん,経営者にも時間・労力・精神的負担を割くことを要求されます。この負担が日常業務に加わることで,かなりの負担感となります。交渉で解決することによりかかる人的負担が早期に回避できます。

②労働審判・訴訟等の法的手続に進んだ場合より解決金の水準が低い

一般に法的手続に進む場合に比べ,企業が支払う解決金の金額は低いものとなります。

4 裁判対応

労働者との間で交渉による解決が図れない場合は,労働者は自己の権利の実現を求めて裁判を起こす可能性が高いと言えます。具体的には,賃金仮払い仮処分手続,労働審判手続,訴訟手続などがありますが,労働者が事案に応じて手続を選択して,自己の請求の実現を目指すことになります。貴社としては,かかる労働者の法的請求に適切に対応する必要があります。

労働問題.comの対応

1 経験豊富な弁護士に相談

労働問題は適用される法律が難解で事実関係が極めて複雑であり,また,貴社が採るべき対応策はケースバイケースで決めざるを得ません。貴社独自で調査の上でのご対応が,時に誤った方法であることも多分にございます。
そこで,まず,労働問題について豊富な経験実績を有する弁護士にご相談下さい。ご相談が早ければ早いほどとりうる手段は多いのが実際ですので,トラブルが少しでも生じましたら出来るだけ早期にご相談されることをお勧めいたします。
労働問題.COMでは,常に労働問題を専門的に取り扱う経験豊富な弁護士が直接対応させていただいております(原則的に代表弁護士である吉村が対応させて頂きます。)。裁判のリスクを踏まえながら,法律上の問題点を指摘しつつも,抽象的な法律論に終始することなく,貴社が採るべき具体的な対応策を助言いたします。早期のご相談により紛争を未然に防止することが出来た事例が多数ございます。また、その後の交渉・裁判対応においても有利な対応を取ることが出来ます。

2 継続的なご相談・コンサルティング

労使間のトラブルは一時的なものではなく,長期化することがしばしばあります。ケースバイケースに採るべき対応策や確保すべき証拠も異なりますし,時々刻々と状況が変わっていき,その都度適切な対応をとることが必要です。この対応が間違っていた為に,その後の交渉や法的措置の段階で不利な状況に立たされることもままあります。
労働問題.COMでは,経験豊富な弁護士が,継続的なご相談を受けコンサルティングを行います。初期の段階より貴社にとって有利な対応をアドバイスしていきます。それにより,その後の交渉・法的措置にとって有利な証拠を確保でき,適切な対応をとることで,万全の準備が出来ます。また,継続的に相談が出来ることにより安心して他の日常業務に専念していただくことができます。

3 貴社を代理して労働者(弁護士,労働組合)と交渉いたします。

労働者の対応は様々ですが,貴社へ要求を認めさせるために,様々な働きかけをする事が多いのが実情です。労働者が弁護士や労働組合を介して,会社に対し各種の請求を行い,交渉を求めることはよくあることです。弁護士や労働組合はこの種事案の交渉のプロですので,貴社独自で臨むことで,あらぬ言質や証拠をとられ,本来了承する必要のない要求まで認めさせられることもしばしばです。貴社独自でのご対応は,一般的には困難であることが多いといえます。
そこで,労働問題.COMでは,労使間の交渉対応に精通した弁護士が,貴社に代わって交渉の対応を致します。具体的には,貴社担当者から詳細なヒアリングを実施し,証拠の収集等の準備を行った上で,弁護士が法的根拠に基づいた通知書を出し,適切に交渉することで,貴社にとって有利な結論を,裁判を経ずに勝ち取ることも可能となります。

4 裁判対応

労働者が労働審判,仮処分,訴訟などの裁判を起こしてくる場合が近時急増しています。かかる裁判への対応は法律で訴訟代理権を独占する弁護士のみが対応することができます。
但し,労働問題を適切に対応することができるのは労働問題について豊富な経験実績を有する弁護士に他なりませんが,労働問題は極めて特殊専門領域であるため,経験実績がない又は乏しい弁護士が殆どである実情があります。
労働問題.COMでは,労働事件を専門分野とし,裁判対応の豊富な経験実績を有する弁護士が常時対応させていただいております。貴社に対し,最善の弁護活動をお約束いたします。

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