労働審判_弁護士_選び方

会社必見!労働審判を依頼する弁護士の選び方

労働審判を申し立てられた会社が弁護士を選ぶ際に知っておきたい3つのこと
会社に第1回労働審判手続期日呼出状及び答弁書催告状が届いた。
従業員から労働審判を起こされたのだ。速やかに弁護士に相談・依頼をしたいが,一体どの弁護士に相談・依頼をしたら良いのか分からない。
そんな会社や社長も多いのではないでしょうか?
そこで,今回は,労働審判を申し立てられた会社や社長が弁護士を選ぶ際に押さえておきたいポイントについて分かりやすく説明します。

1. 本当に弁護士に依頼した方がよい?弁護士のメリット・デメリット

まず,労働審判を起こされた会社にとって弁護士はいかなる役に立つのでしょうか?そもそも論として疑問に思う会社や社長も多いことでしょう。そこで,まず弁護士に相談・依頼するメリットとデメリットについて説明します。

⑴ 弁護士に相談・依頼するメリット

① 弁護士は会社の味方として相談に乗ってくれる!

社員(労働者)から労働審判を申し立てられた会社・社長はとても驚かれたことでしょう。何でウチが訴えられなければならないのだ,悪いのは社員(労働者)の方なのに,,,怒りにも似た感情が沸くことでしょう。と同時に,一体会社はどうなってしまうのだろうと不安な気持ちを抱え,夜も眠れないこともあると思います。

そんな会社・社長の味方となり相談に乗る存在が弁護士です。

労働審判のもととなった労働問題に関し,貴社が採れる手段は,ケースバイケースに存在します。もっとも,安易な対応はトラブルを生み,かえって貴社に混乱とコストの負担をかけることにもなりかねません。

弁護士は,会社の事情を伺い,具体的対応策を会社と一緒に検討し,最善の解決策をアドバイスします。貴社のケースにおける具体的な対策として打つべき手は何か,証拠として押さえておくべきものは何か等をアドバイスします。

② 労働審判手続の全てを任せることができる!

会社が提起された労働審判に対して、会社・社長の主張を証明していくためには,様々な資料の収集や書類の作成、さらには労働審判手続期日において,裁判所(労働審判委員会)や社員(労働者)側の代理人弁護士に対して適切な対応を行っていくことが必要になります。

しかし,これらの一連の過程の全てを会社・社長だけの力で行うとなると、心身ともに多大な負担がかかります。

特に,労働審判手続は特殊な手続ですので,充実した答弁書の作成や書証の取捨選択のみならず,第1回労働審判手続期日における裁判所(労働審判委員会)からの厳しい質疑応答にも耐えることが重要となります。

会社・社長だけで労働審判を対応した場合には、本来ならば認められるはずであった適正な主張が認められず,その結果として会社に不利な労働審判や調停案を提示される事態にもなりかねません。

これに対し,労働審判手続に強みを持つ弁護士に依頼をした場合,弁護士が戦略を立て、証拠集めのサポートをはじめとして,答弁書や証拠書類等の様々な書類の作成や裁判所(労働審判委員会)や社員(労働者)側の代理人弁護士との対応を会社に代わって適正に行います。

そうすることで、会社・社長の時間的・精神的な負担が軽減されるとともに、より有利な条件で労働審判手続を解決することが可能となります。

⑵ 弁護士に依頼するデメリット

労働審判手続を弁護士に依頼した場合のデメリットは、弁護士費用がかかることです。

もっとも,会社・社長だけで対応することによって,会社に不利な労働審判や調停案を提示される事態(弁護士に依頼していれば避けることが出来た金銭的負担の発生)を考えれば,むしろ弁護士費用を払ってでも依頼をした方が良いということも大いにあります。

【参考記事】
会社が労働審判の弁護士費用に関して知っておきたい4つのこと

2. 労働審判に強い弁護士の探し方

弁護士に相談・依頼するメリットがあるとご理解いただけたと思いますが,そうすると次に気になるのは、弁護士の探し方ではないでしょうか。ここでは会社が労働審判手続に関して弁護士の探し方のメリット・デメリットについて書いていきます。

① 知人・社労士先生や税理士先生等からの紹介

まずは,伝統的な選び方として,知人や顧問社労士・税理士の先生からの紹介があります。

紹介による弁護士選びは、付き合いのある人からの紹介なので安心感がある,探す手間が省けるというメリットがあります。

一方、紹介者の知人というだけの理由である場合などは、労働審判手続に必ずしも精通していないリスクがあります。付き合いのある社労士の先生や税理士の先生の紹介だから大丈夫だろう,そう考えて依頼をしたものの,実は労働審判手続の経験が無く,会社の為に最善の弁護活動ができなかった,として別の弁護士を探すというケースはよく聞く話です。

② インターネット検索

次に,現代的な探し方としてはネット検索ではないでしょうか。スマホも普及した昨今,いつでもどこでも弁護士情報を検索することができます。

ネット検索では、簡易に探すことが出来て,情報も極めて豊富というメリットがあります。

一方,逆に情報があふれかえっているため弁護士数が多すぎて選びきれないというデメリットもある。

「労働審判に強い」とのホームページとなっていても,その法律事務所は弁護士名で検索すると,実は,その他にも「相続に強い」「離婚に強い」などと他分野にわたってホームページ運用をしている法律事務所も数多くあります。これでは結局何に強みを持つのか分からないと困惑する方も多いでしょう。

③ 弁護士ポータルサイト

インターネット検索の一種ですが,最近では民間企業が運営する弁護士探しのポータルサイトも多く存在します。最も有名なのは弁護士ドットコムなどで,全国の弁護士を紹介するサイトがあります。

全国の弁護士が紹介される形式になっており弁護士を探しやすいというメリットがあります。

一方で,民間企業が運営する弁護士ポータルサイトは,弁護士・法律事務所より広告料収入を得ているケースが殆どです。そして,より高い広告料を支払うことでポータルサイト上で「お勧め」「厳選労働問題に強い弁護士」と表示されるという仕組みになっています。

つまり,ポータルサイトで上位に表示される弁護士が必ずしも労働審判に精通している訳ではない可能性があるというデメリットがあります。

3. 労働審判手続に強い弁護士の選ぶポイント

弁護士を探す方法にも様々なものがあることをご理解いただけたと思いますが,結局は会社・社長が自分で情報を取捨選択して弁護士を選ばなければならないという結論になりました。そうすると,次は,弁護士を選ぶ際,如何なる点に着目すれば良いのかが気になることでしょう。そこで以下では、労働審判手続・労働問題に強い弁護士を探すポイントについて説明していきます。

① 会社側での労働審判手続・労働事件の経験・実績が豊富であること

医者にも専門分野があるように,弁護士にもそれぞれに得意分野や専門分野があり、これまで蓄積された経験や実績は大きなポイントになります。特に労働審判手続・労働問題の分野は,法律や判例が複雑に入り組んでおり,かつ,法律・通達の改正が多く,専門性が高い分野です。

そこで,依頼を検討している弁護士が労働審判手続・労働事件の経験・実績が豊富であるか否かを確認することが重要です。

確認の方法としては,まずはホームページ等の媒体で実績や経験を掲載しているかを確認する方法が手っ取り早いでしょう。媒体からは明らかでは無い場合は,面談の上,実績や経験を尋ねてみるのも一つです。

ここで注意して頂きたいのが,依頼をした場合に「主任で担当する弁護士」の経験や実績です。労働問題専門をうたうホームページを運営している法律事務所であっても,主に担当する弁護士が経験・実績を有していないのであれば意味がありません。特に,多数の弁護士が在籍している法律事務所の場合,実績のある弁護士が出てくるのは最初の相談だけで(最初から出てこないこともある),経験が豊富では無い頼りない若手の弁護士に担当されたという例もよく聞く話となっています。誰が主任で担当するのか,という点も合わせて確認をするべきでしょう。

② 会社の話を聞いてくれること

次に,実際に弁護士に面談した際,話しを聞いてくれるかという点もチェックしてください。せっかく弁護士に相談しに行ったにもかかわらず,会社の話しを聞くのもそこそこに,弁護士の見解をベラベラと一方的にまくしたて,挙げ句の果てには,自分の実績の自慢話ばかりをする弁護士もいると聞きます。いくら実績や経験があったとしても,これでは会社の実情に沿った対応は期待できません。何よりも,会社の味方になって一緒に戦ってくれるとはとても信用出来ないでしょう。そのような弁護士はやめておいた方がよいでしょう。

③ 説明が分かりやすいこと

さらに,実際に弁護士に面談して相談した際、説明が分かりやすいかどうかをチェックしてください。労働審判手続や労働問題の相談や質問をした際,弁護士が,専門用語ばかりで説明したり,抽象的な解説に終始するような場合,理解が出来ません。手続を依頼して任せるにしても,最終的に方針や解決策を決断するのは,決済権限を有する会社・社長に外なりません。会社・社長の意思決定の前提として,法律関係のことや事件の見込みについて理解をしていることが必要となります。にもかかわらず,弁護士が会社・社長が理解出来るように説明しないのであれば,納得のいく決済をすることができません。よって,説明が分かりにくい弁護士もやめておいた方がよいでしょう。

④ 費用が明確であること

また,会社・社長にとっては負担する弁護士費用も重要な判断要素となります。ホームページ等の媒体で明確に表示しているか否かも重要ですが,実際に見積書を提出してもらうことも重要です。費用関係を明確にした上で納得して依頼をできるということも重要なポイントとなります。

4. まとめ

今回は、労働審判を申し立てられた会社や社長が弁護士を選ぶ際に押さえておきたいポイントについて,知っておきたい事柄について説明してきましたが、いかがだったでしょうか。今回の話が、労働審判手続に悩まれている会社・社長の方の参考になれば幸いです。

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