懲戒解雇 名誉毀損

懲戒解雇の公表は名誉毀損にあたるか?

  • 2021年8月8日
  • 2021年8月8日
  • 懲戒
社長
当社の従業員が金銭を着服した事実が発覚したので,当該従業員を懲戒解雇しようと考えています。その際に,今後同じような不正発生を防止するためにも,社内に当該従業員が起こした不正事実と懲戒解雇される旨を公表しようと考えています。懲戒処分内容を社内に公表することに問題はあるのでしょうか?
弁護士吉村雄二郎
非違行為を行った従業員であってもその人格権に配慮する必要があります。解雇,特に懲戒解雇の事実及びその理由が濫りに公表されますと,その公表の範囲が会社内に限られるとしても,解雇された者の名誉,信用を低下させるため,名誉毀損の不法行為が成立する可能性があります。そして,その公表が許される範囲も限度があり,会社側に公表する必要性が高く,かつ,必要最小限度の公表方法を用いた場合に限られます。ご質問にあります再発防止の一般予防の観点から考えますと,公表する必要が高いと言えます。そして,公表方法としては,被処分者の氏名を公表しなくても,被処分者の起こした非違行為とそれに対する処分内容を公表することで十分効果はあるとも考えられます。被処分者の氏名を公表すると,見せしめとしての印象が強くなり,被処分者の名誉を毀損することにもなりかねません。また,社外にも洩れてしまわないように,公表方法に注意が必要です。
懲戒解雇の公表は名誉毀損の不法行為が成立する可能性がある
公表する必要性,必要最小限度の公表方法となるよう配慮すべき

 

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