懲戒の有効要件

知っておきたい懲戒処分の有効要件

  • 2020年10月26日
  • 2022年4月5日
  • 懲戒

懲戒処分はどのような場合に有効になるのでしょうか?懲戒処分を行う前に知っておきたい法的ポイント(一般的有効要件)について説明します。

1 懲戒処分の一般的有効要件

会社が懲戒処分を有効に行う為には,

懲戒処分の有効要件
① 就業規則に懲戒事由が明記されていること

② 懲戒事由に該当する業務命令違反の事実があること
③ 懲戒処分の種類・量定が社会通念上相当であること
④ 懲戒処分の適正手続を経ていること

が必要となります。

①は,懲戒の種類や事由が予め就業規則上明記されていることを意味します。就業規則上の規定なくして懲戒処分は出来ません。

②は,就業規則に規定された懲戒事由に該当する事実は存在することを意味します。事実の存否は証拠に基づいて確定する必要があり,証拠も無い場合は争われる可能性があります。

③は発生した懲戒事案と制裁罰である懲戒処分とが釣り合っていることを意味します。懲戒事案に比べ重すぎる懲戒処分は無効となります。

④は、就業規則で懲戒処分に関する手続(懲戒委員会の開催決議、弁明の機会の付与など)がさだめられている場合は、その手続を経ないで行われた懲戒処分は無効となります。

①〜④を踏まえて懲戒処分を決定する必要があります。

以下、具体的に説明していきます。

2 懲戒事由と懲戒処分の種類が就業規則に明記されていること

就業規則に明記されていること

懲戒処分を行うには「使用者が労働者を懲戒することができる場合」(労契法15条)であること、すなわち、あらかじめ就業規則において懲戒の種別および事由を定めておくことが必要です(フジ興産事件 最高裁二小 平15.10.10判決)。
この懲戒処分に関する就業規則上の定めは,そこに記載していない事項は事後的に追加することはできない為,特に懲戒事由に関してはある程度網羅的に定めることが必要です。

就業規則が周知されていること

就業規則が効力を有するためには、その内容の適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続きがとられている必要です(労基法106条1項)。

周知の方法(労基則52条の2)
① 就業規則を常時各作業場の見やすい場所へ掲示し又は備え付けること
② 書面を労働者に交付すること
③ 磁気テープ,磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し,かつ,各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること

遡及処罰の禁止

懲戒処分は労働者にとって不利益な処分であるので、その対象となる行為より前に、上記懲戒に関する規程があらかじめ定められていることが必須となります。

労働者の問題行為が発生した後に、後出しで懲戒に関する規程を定めた上で、労働者の行為に対して遡って懲戒処分を行うことはできません

3 懲戒事由に該当する事実の存在

3.1 懲戒事由該当性

懲戒処分が有効であるためには、「客観的に合理的な理由」(労契法15条)があること、すなわち、労働者の行為が就業規則で定めっれた懲戒事由に該当することが必要となります。

3.2 懲戒事由の限定解釈

懲戒規程において定められている懲戒事由は、さまざまな非違行為に柔軟に対応するべく、ある程度広範で包括的な文言が用いられている場合が通常です。しかし、裁判所では、懲戒事由該当性の判断に際して、広範な文言をそのまま受け入れることはせずに、労働者保護の観点から限定解釈する傾向があります。※具体例は末尾の参考判例を参照してください。

よって、懲戒事由該当性の判断に際しては、仮に就業規則で懲戒事由を広く定めたとしても、懲戒事由の文字面の該当するか否かだけでなく、個別の事案について非違行為の内容やその程度なども含めて実質的に検討することが必要となります。

3.3 事実認定

懲戒処分は労働者に対する不利益措置であるため、裁判による紛争リスクがあります。

裁判では懲戒処分の有効要件について、企業側に立証責任があります。つまり、企業が懲戒事由を立証できない場合は敗訴します

労働者が争うことが想定される場合(特に、懲戒解雇や賃金減額を伴う降格をする場合など)は、客観的な証拠に基づいた事実認定が特に重要になります。

よって,懲戒処分を行う際は,証拠(特に客観的証拠や被処分者の自白が重要)の存否を慎重に確認する必要があります。

証拠が不十分な場合はリスク回避のために処分を軽減する又は回避することも検討しなければなりません。

4 懲戒処分の社会的相当性

4.1 相当性の判断

「社会通念上相当」(労契法15条)であること、すなわち、処分の相当性も懲戒処分の有効要件となります。

「社会通念上相当」とは、誤解を恐れずに言えば「社会常識的に考えて重すぎない懲戒処分」という意味です。

ただ、何をもって重すぎないといえるかは、法律には何も記載がありません。最終的には裁判官が判断するまでは分かりません。

そして、相当性は「当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして」判断するとされています。
具体的には、労働者の行為の態様・動機、業務に及ぼした影響、損害の程度のほか、労働者の反省の態度・情状・過去の処分歴などの諸事情を総合考慮して判断されます。

4.2 懲戒処分の量定基準

具体的な事案において,いかなる懲戒処分が相当であるかについては,法律上の明確な基準はありません

もっとも,参考にするべきデータは存在します。過去の裁判例、世の中の企業による懲戒処分の実例などです。これらデータを参考に、会社で起きた問題行為について懲戒処分の重さを決定していきます。

詳細は下記の記事を参考にしてください。

労働問題.com

会社にとって参考になる懲戒処分の基準について,労働問題専門の弁護士が分かりやすく解説します。…

5 懲戒処分の適正手続

相当性に判断においては、賞罰委員会の開催、被処分者への弁明の機会の付与など懲戒処分に至るまでの手続的相当性(適正手続)も求められます。

5.1 弁明の機会

事情聴取と共に,当該社員に対して弁明の機会を付与することがあります。つまり、問題を起こした従業員に対し、懲戒処分を行う前に言い分を述べるチャンスを与えるということです。

弁明を機会を与えない場合、懲戒処分が無効となることがあります。

この点について、就業規則で定めている場合とそうでない場合に分けて説明します。

就業規則等で弁明の機会の付与手続が規定されている場合

この場合は、弁明の機会を与えずに懲戒処分をすれば、些細なミスを除いて無効となります。

裁判例
弁明機会の付与がないことを理由に懲戒解雇無効とした例
千代田学園事件(東京高判平成16・6・16労判886号93頁),ティーディーアイ事件(東京地判平成28・2・19),野村謹券事件(東京地判平成28・2・26労判1136号32頁)
弁明の方法が不適切として懲戒処分無効とした例
長野油機事件(大阪地決平成6・11・30労判670号36頁),ピーアンドブィ事件(東京地決平成22・7・23労判1013号25頁),日本通信事件(東京地判平成24・11・30労判1069号36頁),一般財団法人年金住宅福祉協会事件(東京地判平成26・2・25労判1101号62頁),社会福祉法人大磯恒道会事件(東京高判平成26・8・6 最決平成27・6・23で確定)
弁明が実質的に行われたことを理由に懲戒解雇を有効とした例
小田急電鉄事件(東京高判平成15・12・11労判867号5貢),ヒューマントラスト事件(東京地判平成24・3・13労判1050号48貢),NTT東日本事件(東京地判平成23・3・25労判1032号91貢),甲社事件(東京地判平成27・11・11)、わかしお銀行事件(東京地判平12・10・16労判798号9頁)

就業規則等で規定されていない場合

就業規則等に規定がない場合には,弁明の機会を与えることなく懲戒処分を行ったとしても、手続違反により直ちに無効になることはありません。

もっとも、懲戒処分前に弁明を聴いておくことは,手続面において丁寧に対応したことを示すプラス事情であり,裁判において懲戒処分の有効性を補強する事情となります。また,従業員の弁明から得られた情報や証拠を踏まえることにより、より確実に有効な懲戒処分を行うことができます。弁明を聴かずに懲戒処分をした後になって、懲戒処分の有効性を揺るがしかねない重要な事実を知ることになっては、後の祭りです。お粗末な事実確認の結果、懲戒処分が裁判で覆された場合、会社の体面も保てません。

従って、就業規則等に定めがないとしても、原則として、懲戒処分前に弁明の機会を与えるようにしてください。特に、懲戒解雇・諭旨解雇など重大な不利益を与える懲戒処分については慎重を期して弁明の機会を必ず与えて下さい。

弁護士吉村雄二郎
弁明の機会を与えることは、一手間かかるので懲戒処分のスピーディに行うことはできません。しかし、期間を定めて弁明をするように指示できますし、弁明の機会を与えても弁明しないのであれば、弁明の機会を放棄したものとして手続を進めてよいです。また、弁明の内容に対して会社が何らかのレスポンスをする必要はありません。やりようによってはスピーディに手続を進めることができるのです。

弁明の機会を与える方法

面談による方法でも、文書で提出する方法でもかまいません。両方求めてもかまいませんが、客観的記録(録音など)は行う様にしてください。

 

○年○月○日

甲野 太郎 殿

○△商事株式会社
代表取締役 ○山△次郎

弁明聴取書

 当社では貴殿の別紙「懲戒事由」記載の事実(以下「本件事実」といいます。)について、懲戒処分を検討しています。つきましては、本件事実に関し、貴殿に弁明の機会を与えます。下記の要領に従い弁明してください。

1 貴殿が本件事実について、弁明すべき事項があれば、「弁明書」を作成のうえ、以下の要領でメール、FAXまたは郵便にて送付してください(書式は問いません)。なお、口頭による弁明聴取は実施しませんので、必ず書面で弁明を行ってください。
提出期限:○○○○年○月○日 必着
送付先:当社 総務部長 〇〇 〇〇 宛
住所:東京都○○区○○町〇一〇一〇
電話:〇〇〇〇一〇〇〇〇
FAX:〇〇〇〇一〇〇〇〇
メールアドレス:〇〇〇
2 上記提出期限までに弁明書の送付がない場合は、弁明すべき事項がないものと判断し、処分等を決定します。
3 不明点があれば、上記①記載の連絡先に問い合わせてください。ただし、期日までに必ず弁明書を提出してください。

以上

(別紙)

懲戒事由

1 ○年○月○日○時頃、当社会議室において、同僚女性従業員○○に対して「○○」と発言し、○○に対して不快感を与え、もって職場環境を悪化させた(就業規則○条○項)。
2 ○年○月○日○時頃、当社事務室において、部下である従業員○○に対して「○○」と発言し、○○に対して不快感を与え、もって職場環境を悪化させた(就業規則○条○項)。
3 ・・・・・・・

以上

5.2 懲戒委員会の開催

就業規則等において懲戒委員会を開催することが必要な場合は,同手続を行います。

就業規則に定められている懲戒委員会が開催されず、また、これに代替する措置もとられていない場合は、懲戒処分は無効と解されます(中央林間病院事件・東京地判平8・7・26労判699号22頁 所定の懲戒委員会が開催されず,それに代わる手続も何らとられていないことを理由に懲戒解雇を無効とした。)。

従って、就業規則において定められている懲戒委員会等の手続は行う必要があります。

懲戒委員会を開催した場合は、必ず議事の経過等を記録した議事録を作成・保管してください(裁判になった場合に必要となります。)。また、裁判に提出するうことを意識して適切な記載を行って下さい。

もっとも、就業規則上懲戒委員会の開催が必要的なものではない場合(例えば、賞罰委員会規程の規定の仕方が「賞罰委員会において弁明の機会を与える」ではなく,「委員会は原則として委員会において弁明する機会を与えることができる」という内容であった場合など)、懲戒委員会を開催しなかったことをもって、必ずしも懲戒処分の効力が無効とはされません(わかしお銀行事件 東京地判平12.10.16 労判798号9頁)。

5.3 労働組合や労働者代表との協議

労働協約上、懲戒処分を行う場合は、労働組合と協議を経て、あるいは組合の同意を得て、行う旨が定められている場合、これに違反した場合、懲戒処分は無効となります。

これに対して、懲戒処分に関して、労働組合との間で特に合意がないのであれば,労働組合や労働者代表と協議をしたり,その同意を得たりする手続きをとる必要はありません。

労働組合の側から,「組合員の懲戒処分を実施する場合には,事前に組合と協議する」とか,「組合三役につき懲戒処分を実施しようとするときは,あらかじめ組合と協議し,その同意を得て行う」といった内容の労働協約の締結を要求されることがありますが,それに応ずる義務はありません。

また、懲戒処分の実施に際して,労働組合や労働者代表の意見を聴くことを義務づけられることもありませんし,賞罰委員会を設けているケースにおいて,そのメンバーとして,労働組合や労働者の代表を参加させることを義務づけられることもありません。従って、これらについて労働組合から要求をされたとしても、応ずる義務はありません。

対応方法

以上の懲戒処分の有効要件を備えるためには、以下のような対応が必要です。

1 調査(事実及び証拠の確認)

まずは,以下の事実及び証拠を調査・確認する必要があります。

調査するべき事実関係

1 就業規則の懲戒事由の確認
2 懲戒事由に該当する事実関係の有無を確認
3 懲戒処分に必要な手続を確認

調査の際に収集する資料

1 就業規則、懲戒規程、労働協約
2 懲戒事由に該当する事実を裏付けるあらゆる資料(特に客観的証拠)
3 懲戒処分に必要な手続を履行した証拠(弁明書、弁明聴取書、懲戒委員会議事録など)

2 適正手続の履行

弁明の機会の付与

事情聴取と共に,当該社員に対して弁明の機会を付与します。面談又は弁明書の提出の機会を与えます。

懲戒委員会の開催

就業規則等において懲戒委員会を開催することが必要な場合は,同手続を行います。

3 処分の決定及び通告

決定した処分を当該社員に対して通告します。
明確にするために文書によって通告することが一般です。

懲戒処分は労務専門の弁護士へご相談を

弁護士に事前に相談することの重要性

懲戒処分は秩序違反に対する一種の制裁「罰」という性質上、労働者保護の観点から法律による厳しい規制がなされています。

懲戒処分の選択を誤った場合(処分が重すぎる場合)や手続にミスがあった場合などは、事後的に社員(労働者)より懲戒処分無効の訴訟を起こされるリスクがあります。懲戒処分が無効となった場合、会社は、過去に遡って賃金の支払いや慰謝料の支払いを余儀なくされる場合があります。

このようなリスクを回避するために、当サイトでは実践的なコンテンツを提供しています。

しかし、実際には、教科書どおりに解決できる例は希であり、ケースバイケースで法的リスクを把握・判断・対応する必要があります。法的リスクの正確な見立ては専門的経験及び知識が必要であり、企業の自己判断には高いリスク(代償)がつきまといます。また、誤った懲戒処分を行った後では、弁護士に相談しても過去に遡って適正化できないことも多くあります。

リスクを回避して適切な懲戒処分を行うためには労務専門の弁護士事前に相談することとお勧めします

労務専門の吉村労働再生法律事務所が提供するサポート

当事務所は、労務専門の事務所として懲戒処分に関しお困りの企業様へ以下のようなサポートを提供してます。お気軽にお問い合わせください。

労務専門法律相談

懲戒処分に関して専門弁護士に相談することが出来ます。法的なリスクへの基本的な対処法などを解決することができます。

詳しくは

サポート内容及び弁護士費用 の「3 労務専相談」をご参照ください。

懲戒処分のコンサルティング

懲戒処分は限られた時間の中で適正に行う必要があります。進めていくなかで生じた問題に対して適時適切な対応が要求されますので単発の法律相談では十分な解決ができないこともあります。
懲戒処分のコンサルティングにより、懲戒処分の準備から実行に至るまで、労務専門弁護士に継続的かつタイムリーに相談しアドバイスを受けながら適正な対応ができます。
また、弁明聴取書、懲戒処分通知書・理由書などの文書作成のサポートを受けることができます。
これにより懲戒処分にかかる企業の負担及びリスクを圧倒的に低減させる効果を得ることができます。

詳しくは

サポート内容及び弁護士費用 の「4 コンサルティング」をご参照ください。

労務専門顧問契約

懲戒処分のみならず人事労務は企業法務のリスクの大半を占めます。
継続的に労務専門の弁護士の就業規則のチェックや問題社員に対する対応についてのアドバイスを受けながら社内の人事労務体制を強固なものとすることが出来ます。
発生した懲戒処分についても、懲戒処分の準備から実行に至るまで、労務専門弁護士に継続的かつタイムリーに相談しアドバイスを受けながら適正な対応ができます。
また、弁明聴取書、懲戒処分通知書・理由書などの文書作成のサポートを受けることができます。
これにより懲戒処分にかかる企業の負担及びリスクを圧倒的に低減させる効果を得ることができます。

詳しくは

労務専門弁護士の顧問契約 をご参照ください。

参考裁判例

懲戒事由が限定解釈された例

日本鋼管事件

最高裁二小昭49・3・15判決判時733号23頁

就業規則所定の「不名誉な行為をして会社の体面を著しく汚したとき」との懲戒事由への該当性が問題となった事案において、「従業員の不名誉な行為が会社の体面を著しく汚したというためには、必ずしも具体的な業務阻害の結果や取引上の不利益の発生を必要とするものではないが、当該行為の性質、情状のほか、会社の事業の種類・態様・規模、会社の経済界に占める地位、経営方針及びその従業員の会社における地位・職種等諸般の事情から綜合的に判断して、右行為により会社の社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大であると客観的に評価される場合でなければならない。」として、制限的に解釈されている。

スーパーバッグ事件件

東京地裁 昭55・21刑決労判335号23頁

就業規則所定の「経歴を詐りその他の詐術を用いて雇用された場合」との懲戒事由への該当性が問題となった事案において、「労働者が、経歴詐称によって企業と労働契約を締結することによって、労働者の適正な配置、人事管理等の企業秩序に混乱を生じ、使用者との信頼関係が破壊される結果、もはや企業と労働者間の雇用関係を継続し難いと認められるような重要な経歴詐称があった場合には、懲戒解雇もやむを得ない措置として是認されると考えられる。そして、かような重大な経歴詐称いえるためには、企業が労働者の真実の経歴を知っていたのであれば、当該労働者と雇用契約を締結しなかったであろう(少なくとも、同一条件では)と考えられ、また、客観的にも、そのことに合理的な理由があると考えられる場合であることを要する。」と懲戒事由が限定的に解釈されている。

戒告処分無効確認等請求事件

東京地裁 平20・4・18 判例秘書

私立大学の教授である者に関し,同人が被告大学の論文集へ投稿した論文に校正ミスが多い,業務に関する誠実な報告がない,出勤簿の押印が誤っているなどの事実関係について,就業規則所定の「本学の信用を傷つけ」「名誉を汚すような行為をしてはならない。」等の懲戒事由への該当性が問題となった事案において,形式的には懲戒事由に該当すると言い得ても,「今後同様な事態を招くことのないよう注意すれば足りることで,懲戒処分をもって臨むべきほどのものとはいえない」「これだけではたとえ一番軽い戒告といえども,懲戒処分をもって臨むべきものとはいえない」として,懲戒事由への該当性を否定した。すなわち,懲戒事由への形式的な該当性を判断するのではなく,秩序違反としての実質の存否,懲戒処分の対象とする必要性という実質を考慮し,懲戒事由への該当性を判断している。

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