労働判例INDEX(2019年7月)

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2019年7月に公刊された判例雑誌(労判、判タ、労経速、判時、労判ジャーナル)から労働裁判例の目次を整理しました。

労働判例 2019年7月1日号 No.1200

大阪府・府知事(障害者対象採用職員)事件(大阪地裁平31. 1. 9 判決)

勤務実績不良等を理由とする分限免職処分の適法性

フーズシステムほか事件(東京地裁平30. 7. 5 判決)

妊娠,出産を契機とする降格・有期契約への転換・解雇の有効性等

富士機工事件(静岡地裁浜松支部平30. 6.18 判決)

障害者雇用枠採用社員の自殺と業務起因性等

JR東日本(退職年度期末手当)事件(東京高裁平29.12.13 判決)

賃金規程変更に伴う4月定年退職者の期末手当不支給の適法性

労働判例 2019年7月15日号 No.1201

地方独立行政法人岡山市立総合医療センター(抗告)事件〈付 原決定〉(広島高裁岡山支部平31. 1.10決定,岡山地裁平30. 3.29決定)

外科医に対する配転・診療禁止命令の有効性と職種限定合意の有無等

国・中労委(明治〔昇格・昇給差別〕)事件(東京地裁平30.11.29判決)

組合活動を理由とする昇格・昇給差別の有無と不当労働行為該当性

学校法人文際学園(外国人非常勤講師ら)事件(東京地裁平30.11. 2判決)

年休の「継続勤務」要件ならびに就業規則の周知義務

横浜A皮膚科経営者事件(横浜地裁平30. 8.23判決)

懲戒解雇の有効性ならびに反訴提起に対する損害賠償請求等

国・防衛大臣(海上自衛隊厚木航空基地隊自衛官)事件(東京地裁平30.10.25判決)

若年性認知症等による窃盗行為に対する免職処分の適法性等

判例タイムズ 1461号 8月号 (2019年7月25日発売)

最高裁第一小法廷平31.4.25判決

使用者と労働組合との間の合意により当該労働組合に所属する労働者の未払賃金に係る債権が放棄されたということはできないとされた事例

福岡地裁平30.9.14判決

1 実態と異る賃金算定方法を定めた就業規則の適用が肯定された事例
2 深夜割増賃金が基本給に含まれているとの主張が排斥された事例
3 賃金控除が違法とされた事例
4 会社の賃金未払について代表取締役等の損害賠償責任が否定された事例
5 事実上の取締役の労働者に対するパワーハラスメントが認められるとして,会社の損害賠償責任が肯定された事例
6 労働者が業務を放棄したことにより損害賠償責任を負うとされた事例

東京地裁平29.8.25判決

1 「出向手当」及び「交通費」の各性質につき,雇用契約書の記載その他の事情から認定される労働契約の内容,労働契約と就業規則の優劣,労働条件の不利益変更の要件等の観点から判断した事例
2 使用者が労働者に対し就労に伴う交通費を貸し付け,雇用契約等に違反した場合には全額を返還しなければならない旨の定めが,実質的に労働契約の不履行に違約金を定めるものとして労働基準法16条(賠償予定の禁止)に違反し,無効であると判断した事例
3 法人格否認の法理の適用を肯定した事例

労働経済判例速報(7/10)2380号

K社事件東京高裁(平成30年8月29日)判決

夜行バスの交代運転手として車内にいた時間が労働時間に当たらないとされた例

労働経済判例速報(7/20)2381号

日産自動車事件横浜地裁(平成31年3月26日)判決

経営上の重要事項の企画立案を行う管理職について管理監督者性が否定された例

ユナイテッド・エアーラインズ。インク事件東京地裁(平成31年3月28日)判決

部署の閉鎖に伴う客室乗務員の整理解雇の有効性が肯定された例

労働経済判例速報(7/30)2382号

X事件 大阪地裁(平成31年3月20日)判決

時間外手当相当額を控除する出来高払制賃金の計算方法を有効とした例

ディーソルNSP事件福岡地裁(平成30年12月11日)判決

過労自殺に関する損害賠償請求について35%の減額を認めた例

アディーレ事件東京地裁(平成31年1月23日)判決

業務停止処分を受けた弁護士法人の自宅待機命令が民法536条2項の「責めに帰すべき事由」にあたるとした例

判例時報 No.2402 2019年6月11日 号

名古屋地岡崎支判平30・4・27 

年功序列型から成果主義型への就業規則の変更について、新制度において従業員が最低評価を受けた場合に非常に大きな不利益を受けることからすれば、最低評価の基準の明確性を欠き、最低評価の一次評価と二次評価とが同一の者による場合があるにもかかわらず、その場合についても修正の可能性を担保する制度や措置を設けなかった点については、就業規則の変更について労働組合の同意があるなどのその他の変更に係る事情を考慮しても、著しく合理性を欠くものといわざるを得ず、少なくとも一次評価と二次評価を同一の者が行う場合の最低評価に係る部分について、違法であるとした事例

労働判例ジャーナル 88号(2019年・7月)

ジャパンレンタカー事件 津地裁(平成31年4月12日)判決

就業規則に配転に関する一般的規定があり、勤務地限定の明確な書面上の取り決めがないが、アルバイト職員の勤務地限定の合意が認められ、配転命令が無効とされた例

※理屈上は勤務地限定合意を根拠に配転命令が無効とされているが、事案からは、仮に勤務地限定合意が認定されなくとも、配転命令が権利濫用と判断される可能性が高いと思われる。
※配転命令の前に、当該労働者の雇止めが無効と判断された事実関係が損する。つまり、雇止めが認められないので、報復的に、配転命令が行われたと認められておかしくない事案であった。

損害賠償等請求事件 福岡地裁(平成31年4月16日)判決

亡歯科技工士の自殺に対する安全配慮義務違反があったとして、逸失利益・慰謝料合計4500万円、遺族固有の慰謝料100万円等が認められた例

キムラフーズ事件 福岡地裁(平成31年4月15日)判決

同意のない賃金減額は無効であるとして賃金差額分の支払及びとパワハラに基づく損害賠償請求(50万円)が認められた例

国・高知労基署長(うつ病発症)事件 高知地裁(平成31年4月12日)判決

一方的な賃金減額とうつ病発症の業務起因性が認められた例

東備消防組合事件 岡山地裁(平成31年3月27日)判決

119番通報に対する不適切対応(ただし、業務上の支障はない)による停職処分が重きに失するとして無効となった例

学校法人明海大学事件 東京地裁立川支部(平成31年3月27日)判決

定年退職2週間前になされた通勤手当不正受給を理由とする懲戒解雇無効確認等請求について、定年後であるため確認の利益がないとして却下されたが、退職金請求、解雇による慰謝料請求(認容額80万円)が認められた例

公務外災害認定処分取消請求事件 那覇地裁(平成31年3月26日)判決

勤務中の事故(新生児の死亡事故)によるうつ病の公務災害該当性が認められた例

日産自動車事件 横浜地裁(平成31年3月26日)判決

労働時間の裁量と管理監督者該当性がが否定された例

藍住町事件 徳島地裁(平成31年3月18日)判決

セクハラによる損害賠償請求について、①「わがまま障害者」等の発言(10万円)、②「チューしてええか」「今日やらんか」などの発言、腕や手,肩,背中,胸を触るなどの行為を1時間余りの間繰り返し行い、それによりうつ病と診断された点(慰謝料100万円)について、各慰謝料が認められた例

東京都教育委員会事件 東京高裁(平成31年3月14日)判決

国歌斉唱の際の起立命令に違反したこと等による停職処分は有効であるとされた例

一般財団法人あんしん財団事件 東京高裁(平成31年3月14日)判決

違法な配転命令及び降格処分に基づく慰謝料等請求が棄却された例

国・大阪中央労基署長(小脳出血発症)事件 大阪地裁(平成31年3月11日)判決

小脳出血発症に基づく療養補償給付等不支給処分取消請求について、業務起因性がないとして棄却された例

トーア事件 大阪地裁(平成31年3月7日)判決

代表取締役に対する暴行等と退職慰労金等支払請求について、労働者側の請求(退職金等)が棄却され、会社側の損害賠償反訴が一部認容された例

九水運輸商事事件 最高裁第二小法廷(平成31年3月6日)決定

有期雇用労働者の労働条件の不合理な差別に基づく損害賠償等請求が一部認容された例

天理交通事件 大阪地裁(平成31年2月28日)判決

バス運転手の未払時間外割増賃金等支払請求が認容された例

※「所定時間外手当」として支払っていた手当が割増賃金としての支払に該当するかが争点となったが、雇用契約書上の記載(同手当が「歩合給」との記載がある)、給与明細書上「所定時間外賃金」の項目が記載されていること、それが時間外割増賃金の趣旨で支払われる旨の説明があったと認めるにたる的確な証拠がないこと等を理由に、割増賃金の支払の合意があったとは認められないと判断された。

ウェーブライン事件 大阪地裁(平成31年2月14日)判決

未払時間外割増賃金及び付加金等支払請求が認容された例

地位確認等請求事件 東京高裁(平成31年2月13日)判決

労働判例1199号25頁~国際自動車ほか(再雇用更新拒絶・本訴)事件
タクシー乗務員12 名に対する定年後再雇用拒否・雇止めの適法性等

ヤマト運輸事件 大阪地裁(平成31年2月7日)判決

わいせつ行為を理由とする懲戒解雇の有効性が認められ,セクハラ行為に関して会社が被害者に支払った損害賠償金(示談金約120万円)について民法715条3項に基づく求償請求(反訴)が信義則上の制限なく認められた例

※被害者女性の証人尋問は実施されていないが,身体的接触行為を否認する原告の供述の信用性が否定された。

学校法人アナン学園事件 大阪地裁(平成31年2月5日)判決

ハラスメントを理由とする懲戒解雇及び予備的普通解雇が無効であると判断された例

医師のとも事件 東京地裁(平成31年1月31日)判決

従業員が会社に採用されるに当たって戸籍や住民票に登録された内容とは異なる氏及び生年月日を申告して採用されたこと理由になされた懲戒解雇が有効であると判断された例

エスアンドエー事件 東京地裁(平成31年1月31日)判決

会社が時間外労働等に対する対価として支払った特殊業務手当という名目で支払われた部分は,法定時間内の通常の労働の対価となる賃金部分と明確に区分されているのか否か判然としない上,基本給の増額(基礎賃金額の増額)にもかかわらず,特殊業務手当が増額されるどころか減額されており,同手当が一定の固定的な時間数に関する時間外労働等に係る割増賃金であるという会社の主張と矛盾する点があるほか,勤務外手当は明らかに時間外労働等の時間数に算定上対応しておらず,労働者において労働基準法37条等所定の方法により算定される時間外労働等に対する割増賃金が正しく支払われているのかを検証することが困難であり,そもそも特殊業務手当で予定される時間外労働等が極めて長時間に及び,これに加えて現実に支給された勤務外手当の額を踏まえれば,A及びEの実際の時間外労働等の状況とも大きくかい離するものであることなどからすると,この部分を時間外労働等に係る割増賃金の支払として有効なものと認めることはできず,当該部分も,通常の法定時間内の労働に対する賃金(時間外労働等に係る割増賃金算定の基礎となる賃金)に含まれるものと認められるとされた例

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