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退職と失業保険

ご質問

従業員の退職に際して、会社で行うべき事務手続きについて教えてください。

回答

・退職・解雇の意思表示(退職届の受理や解雇通知書)
・退職理由証明書(労働者より求められたら交付)
・健康保険の確認(退職後の国民健保、国民年金と任意継続の説明など)
・住民税の確認(住民税の一括徴収の確認と異動届の提出準備)
・被保険者証の回収、年金手帳や雇用保険被保険者証の返却
・資格喪失手続(社会保険、雇用保険、利殖証明書)
・離職票など(交付された離職票や社会保険資格証明書、源泉徴収票などを退職者へ送付)

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POINT

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解説

1.失業等給付の体系

雇用保険における給付(失業等給付といいます)は,①求職者給付,②就職促進給付,③教育訓練給付,④雇用継続給付に大別されます。そして,①求職者給付には,一般被保険者については,基本手当,技能修得手当,寄宿手当,傷病手当の4つがあります。また,②就職促進給付には,就業促進手当(再就職手当,就業手当,常用就職支度手当),移転費,広域求職活動費があり,③教育訓練給付には,教育訓練給付金,④雇用継続給付には,高年齢雇用継続給付,育児休業給付,介護休業給付があります。
なお,失業給付には,税金は一切かかりません。

2.基本手当

(1)失業等給付のうち,もっとも基本的でかつ主たる給付は,基本手当(いわゆる失業給付・失業手当と呼ばれるものです)です。基本手当は,被保険者が失業した場合に,「離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上」であったときに支給されます。
この被保険者期間とは,離職日から1か月ごとに遡った期間内に賃金支払基礎日数(賃金計算の基礎となる日数のことであり,実際に労働していない年休を取得した日も含まれます)が11日以上あるものを1か月として計算します。
なお,2枚以上の離職票がある場合の被保険者期間の計算方法は,原則として(離職日の)直近の離職票の離職理由にしたがって,離職日以前2年間(特定受給資格者や特定理由離職者とならない離職理由の場合)について,順次遡って被保険者期間が12か月となるまで通算する方法によります。そして,この場合,最後に被保険者となった日前に当該被保険者が「受給資格の決定を受けたことがある場合(基本手当を受給したか否かは問いません)」は,当該受給資格に係る離職の日以前の被保険者期間は,被保険者期間を通算する場合の対象には含めないこととされています。

(2)基本手当の受給手続について

① 離職

基本手当を受給するには,離職後,住所地のハローワークに出頭して,求職の申込みをして失業の認定を受ける必要があります。そのとき持参すべき書類は,雇用保険被保険者証,離職票,官公署の発行した写真付きの身分証明書,写真(3cm×2.5cm)2枚,印鑑,本人名義の普通預金通帳です。離職票は,離職日の翌日から10日以内に会社から自宅に送付されます。

② 受給資格の決定

ハローワークでは,受給要件を満たしていることを確認した上で,受給資格(基本手当の支給を受けることができる資格)の決定をします。このとき,離職理由についての判定も行います。

③ 雇用保険受給者初回説明会

雇用保険の受給について重要な事項の説明が行われます。ここで,第1回目の失業認定日の連絡があります。予め日時が指定されますので,必ず出席するようにしてください。

④ 失業の認定

受給資格者(基本手当の支給を受けることができる資格を有する者)が最初に出頭した日から4週間ごとに,直前の28日の各日を対象として失業の認定を行います。なお,「失業」とは,被保険者が離職し,労働の意思や能力を有するにかかわらず,仕事に就くことができない状態をいいます。したがって,病気やけが,妊娠・出産・育児などのためすぐには就職できないときは,失業給付を受けることはできません。
また,失業の認定を受けようとする期間中に,原則として2回以上の求職活動の実績が必要となります。そして,失業認定日ごとに提出する失業認定申告書には,(その期間中の)求職活動の内容を記載しなければなりません。
求職活動といえる範囲は,以下の通りです。なお,ハローワーク,新聞,インターネット等での求人情報の閲覧,単なる知人への紹介依頼だけでは,求職活動とはいえません。

ア 求人への応募
イ ハローワークが行う,職業相談,職業紹介等を受けたり,各種講習,セミナーを受講したりしたこと
ウ 許可・届出のある民間機関が行う,職業相談,職業紹介等を受けたり,各種講習,セミナーを受講したりしたこと
エ 公的機関等が実施する,職業相談,職業紹介等を受けたり,各種講習,セミナーを受講したりしたこと
オ 再就職に資する各種国家試験,検定等の資格試験の受験

⑤ 受給

基本手当は,原則として離職の日(基準日)の翌日から起算して1年の期間(この期間を「受給期間」といいます)内の失業している日について,所定給付日数を限度として支給されます。ただし,ハローワークに最初に出頭した日(求職申込みをした日)以後,失業している日が通算して7日に満たない間は,待期期間として基本手当は支給されません。また,正当な理由がなく自己都合退職した場合には,待期期間の満了後,(通常は)3か月の間,基本手当が支給されません(これを「給付制限」といいます)。

(3)受給期間の延長
受給期間内に妊娠,出産,育児その他の理由により引き続き30日以上仕事に就くことができない場合は,本人の申し出により,受給期間を最長4年まで延長し,妊娠等の理由が消滅した後に基本手当の支給を受けながら求職活動を行い得るようにしています。この延長手続をとった人は,「正当な理由のある自己都合により離職した者」とみなされるので,求職活動を開始すれば,3か月の給付制限なしにすぐに基本手当を受給できます。
また,60歳以上の定年により離職した者が一定期間求職の申込みをしないことを希望した場合も,受給期間が最大限2年まで延長されます。

(4)基本手当の日額
基本手当の日額は,賃金日額(算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金(但し,臨時に支払われた賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(ex夏冬の賞与)は算入しない)の総額を180で除して得た額)に一定率(100分の50~80(60~64歳は100分の45~80)の範囲内で賃金の低い者ほど給付率が高くなるよう定められています)を乗じた額です。なお,算定対象期間とは,原則として,離職の日以前1年間です。

(5)基本手当の所定給付日数
基本手当の所定給付日数は,離職の理由と,受給資格者の離職日における年齢及び算定基礎期間(被保険者であった期間のこと)とによって定められています。なお,算定基礎期間については,以前に被保険者資格を喪失した日の翌日から起算して1年以内に今の被保険者期間を取得した場合は,その前後の被保険者として雇用された期間は通算されます(ただし,以前に被保険者資格を喪失した際に受給資格に基づく基本手当を受給している場合は,通算されません)。

3.再就職手当

平成21年3月31日から同24年3月31日までの間に安定した職業(1年を超えて引き続き雇用されることが確実であると認められる職業など)に就いた場合の再就職手当については,暫定措置として,支給残日数が所定給付日数の3分の2以上である場合は基本手当の支給残日数の50%,3分の1以上である場合は40%の額を支給することとなっています。また,当該安定した職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数について,本来の,「3分の1以上かつ45日以上」の支給要件を緩和し,「3分の1以上」あれば,支給対象となっています。

 

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