懲戒処分とは?

chokai.jpg

ご質問

当社では,社員が不祥事を起こした場合は,懲戒処分を行うことがあります。ただ,そもそも懲戒処分の概念については,正確には理解していません。懲戒処分とは何かについて,教えてください。

回答

懲戒処分とは、業務命令や服務規律に違反するなどして企業秩序を乱した労働者に対して、使用者が制裁として行う不利益措置(制裁罰)のことをいいます。簡単に言えば,会社が組織の秩序を守るために社員に対して与える刑罰です。本来,使用者と労働者の関係は「対等」な契約関係とされていますので,使用者が労働者を一方的に罰するという懲戒は労働契約関係特有の制度ということができます。罰則という労働者に一定の不利益を与える為,懲戒は法律上の規制がなされています。よって,法律上の規制に注意しながら懲戒処分を実行することが重要です。

POINT

  • 懲戒処分とは,企業秩序に違反した労働者に対する制裁罰
  • 懲戒は労働契約関係特有の制度
  • 懲戒には法律上の規制がなされている
  • 法律上の規制に注意しながら懲戒処分を実行することが重要

解説

1 懲戒処分とは?

懲戒処分とは、業務命令や服務規律に違反するなどして企業秩序を乱した労働者に対して、使用者が制裁として行う不利益措置(制裁罰)のことをいいます。

労働契約は,労働者が企業組織内において他の労働者とともに一定のルールに従って,集団的に作業を行うことを前提としています。各労働者が,業務上のルールを無視して行動した場合,組織としての統率が乱れ,業務を遂行することが出来なくなります。そこで,労働契約関係では,企業秩序の維持が重要となります。

使用者が企業秩序を維持するための手段としては、人事考課の低査定,配置転換、普通解雇、損害賠償請求等があります。つまり,職場ルールを守らない社員については,人事評価を低く査定して賞与金額等を下げる,職種や職場を変更する,それでも改善されない場合はクビ(普通解雇)する,会社に損害が生じた場合は損害賠償を請求する,という方法もあります。

しかし,これらの手段だけでは,組織秩序を維持することが出来ないこともあり,より効力・威嚇力の強い制裁処分が必要とされます。そこで,より威嚇力が強く、企業秩序を担保する特別の制度が懲戒処分なのです。

2 懲戒処分は労働契約関係特有の制度

例えば,企業間で売買契約を締結していたとして,相手方企業に不手際があった場合は,それによる損害賠償や契約解除をすることにより解決を図ることはあるとしても,相手方企業に対して懲罰を科すということは,通常考えられないでしょう。

これに対して,労働契約関係では,組織における秩序維持の要請から,懲戒制度が認められています。よって,懲戒処分は労働契約関係特有の制度ということができます。

ただ,労働契約関係においては,使用者と労働者は対等な契約当事者とされています。にもかかわらず,労働者を罰する処分である懲戒処分を使用者にだけ認めるのは,労使対等の契約関係に反するとも思えます。少なくとも,懲戒処分を受ける労働者のコンセンサス(同意)は最低限必要であると考えられます。

そこで,企業が懲戒処分を行う前提としては,就業規則に懲戒処分の種類と事由が定められていることが必要とされています。

3懲戒処分は法的規制がなされている

懲戒処分は企業にとっては秩序を維持するために必要な措置であるが,労働者にとっては不利益な処分であるため,法律で規制がなされている。

3.1労働契約法15条

具体的には,労働契約法15条によって,懲戒処分が有効とされるためには,①懲戒処分の根拠規定の存在、②懲戒事由に該当する事実の存在、③処分の相当性が必要とされています。

>>詳細は,「10分で分かる!懲戒処分の有効要件」を参照してください。

3.2 労働基準法91条

また,懲戒処分の中でも減給処分については労働基準法で減給できる金額に限界が定められています。

>>詳細は,「5分で理解!減給の懲戒処分の限界」(当サイトブログ記事)を参照してください。

労働問題.comの対応

1 経験豊富な弁護士に相談

労働問題は適用される法律が難解で事実関係が極めて複雑であり,また,貴社が採るべき対応策はケースバイケースで決めざるを得ません。貴社独自で調査の上でのご対応が,時に誤った方法であることも多分にございます。
そこで,まず,労働問題について豊富な経験実績を有する弁護士にご相談下さい。ご相談が早ければ早いほどとりうる手段は多いのが実際ですので,トラブルが少しでも生じましたら出来るだけ早期にご相談されることをお勧めいたします。
労働問題.COMでは,常に労働問題を専門的に取り扱う経験豊富な弁護士が直接対応させていただいております(原則的に代表弁護士である吉村が対応させて頂きます。)。裁判のリスクを踏まえながら,法律上の問題点を指摘しつつも,抽象的な法律論に終始することなく,貴社が採るべき具体的な対応策を助言いたします。早期のご相談により紛争を未然に防止することが出来た事例が多数ございます。また、その後の交渉・裁判対応においても有利な対応を取ることが出来ます。

2 継続的なご相談・コンサルティング

労使間のトラブルは一時的なものではなく,長期化することがしばしばあります。ケースバイケースに採るべき対応策や確保すべき証拠も異なりますし,時々刻々と状況が変わっていき,その都度適切な対応をとることが必要です。この対応が間違っていた為に,その後の交渉や法的措置の段階で不利な状況に立たされることもままあります。
労働問題.COMでは,経験豊富な弁護士が,継続的なご相談を受けコンサルティングを行います。初期の段階より貴社にとって有利な対応をアドバイスしていきます。それにより,その後の交渉・法的措置にとって有利な証拠を確保でき,適切な対応をとることで,万全の準備が出来ます。また,継続的に相談が出来ることにより安心して他の日常業務に専念していただくことができます。

3 貴社を代理して労働者(弁護士,労働組合)と交渉いたします。

労働者の対応は様々ですが,貴社へ要求を認めさせるために,様々な働きかけをする事が多いのが実情です。労働者が弁護士や労働組合を介して,会社に対し各種の請求を行い,交渉を求めることはよくあることです。弁護士や労働組合はこの種事案の交渉のプロですので,貴社独自で臨むことで,あらぬ言質や証拠をとられ,本来了承する必要のない要求まで認めさせられることもしばしばです。貴社独自でのご対応は,一般的には困難であることが多いといえます。
そこで,労働問題.COMでは,労使間の交渉対応に精通した弁護士が,貴社に代わって交渉の対応を致します。具体的には,貴社担当者から詳細なヒアリングを実施し,証拠の収集等の準備を行った上で,弁護士が法的根拠に基づいた通知書を出し,適切に交渉することで,貴社にとって有利な結論を,裁判を経ずに勝ち取ることも可能となります。

4 裁判対応

労働者が労働審判,仮処分,訴訟などの裁判を起こしてくる場合が近時急増しています。かかる裁判への対応は法律で訴訟代理権を独占する弁護士のみが対応することができます。
但し,労働問題を適切に対応することができるのは労働問題について豊富な経験実績を有する弁護士に他なりませんが,労働問題は極めて特殊専門領域であるため,経験実績がない又は乏しい弁護士が殆どである実情があります。
労働問題.COMでは,労働事件を専門分野とし,裁判対応の豊富な経験実績を有する弁護士が常時対応させていただいております。貴社に対し,最善の弁護活動をお約束いたします。

弁護士費用はこちら

参考裁判例

※本サイトに関する知的財産権その他一切の権利は、弁護士吉村雄二郎に帰属します。また、本サイトに掲載の記事・写真等の無断複製・転載を禁じます。

法律相談受付 TEL:0120-3131-45

ご挨拶 / 弁護士紹介 / 安心の費用 / 地図・アクセス / 無料法律相談 / 法律相談の流れ / よくある質問 / 解決実績 / お問い合わせ