訴訟とは?

ご質問

当社は、中堅電機メーカーですが、長引く不景気,業界内の競争激化のあおりを受け,会社の収益が悪化し,人員削減の一環として、当社の経理職員であるYを解雇致しました。
しかし、Yは弁護士を依頼して解雇の撤回を申し入れてきました。当社としては解雇の撤回に応ずることは出来ないため、交渉が決裂し、先般、Yより地位確認の民事訴訟を起こされました。先日、当社宛に口頭弁論期日呼び出し状兼答弁書催告書という書面が送達されました。このような場合,当社としては、どのように対応すればよいのでしょうか?そもそも訴訟とはどのような手続きなのでしょうか?

回答

労働者が是非とも職場復帰したいと考えるような場合は、地位確認、解雇無効確認等の訴訟を提起するのが一般的です。通常の貸金返還訴訟などの民事訴訟同様に口頭弁論,証拠調べ手続,最終的には判決といった審理手続がなされます。争点に関して,様々な証拠が取り調べられ,証人尋問,本人尋問も行われます。判決に至るまでは早ければ半年から長ければ2年程度時間がかかることもあります。
判決に至る過程で,解雇の有効性についても裁判所が一定の心証を形成しますので,この時点で,和解が成立し,抜本的な解決をなされることもあります。
他方で,判決がなされた場合,不服がある当事者は,高等裁判所へ控訴,最高裁へ上告をして争っていくことになります。

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  • 訴訟では、口頭弁論,弁論準備手続、証拠調手続を経て、最終的には判決がなされる。
  • 訴訟は判決に至るまでは早ければ半年から長ければ2年程度時間がかかることもある。
  • 審理が進められ、裁判所の心証形成に基づいて、和解が成立することも多い。

解説

1 訴訟手続の流れ

訴えの提起は、原告が「訴状」を裁判所に提出することにより開始されます。訴状には、請求の趣旨、請求の原因のほか、請求を理由づける具体的な事実や、被告が争うであろう事実、すなわち原告が証拠で証明しなければならないであろう事実に関連する重要な事実(重要な間接事実)及び証拠(証拠方法)をも記載し、重要な証拠を添付する必要があります。
提出された訴状は、方式等の審査を経たうえで第1回口頭弁論期日呼出状とともに被告に送られます。これに対し、被告は訴状に対する反論を「答弁書」としてまとめ、提出期限までに裁判所に提出しなければなりません。もし被告が第1回口頭弁論期日に出席せず、その期日までに答弁書も提出していなければ、原告の言い分を全て認めたものとみなされて、判決が下されてしまいます(いわゆる欠席判決。基本的に原告の言い分を全て認める内容の判決になります)。答弁書には、請求の趣旨や請求の原因などに対する答弁を記載し、訴状と同じく、重要な事実(重要な間接事実)及び証拠(証拠方法)をも記載し、重要な証拠を添付する必要があります。
口頭弁論期日では、当事者が訴状、答弁書、準備書面の陳述等によって主張を述べ、証人尋問等の証拠調べも行われます。また、口頭弁論における審理を充実させるため、争点及び証拠の整理をする期日(「準備的口頭弁論」、「弁論準備手続」、「書面による準備手続」及び「進行協議期日」)が口頭弁論期日外に設けられることがあります。
口頭弁論が終結すると判決が言い渡されます。言い渡された判決に不服のある当事者は、判決正本を受け取ってから2週間以内に控訴をすることができ、控訴がなければ判決はそのまま確定します。
なお、当事者双方は、訴訟手続のいかなる段階でも、自主的に、あるいは裁判官の勧告により、互いの主張を譲り合って和解を成立させ、それにより訴訟を終了させることができます。和解の内容が調書に記載されると、確定判決と同一の効力を有します。

2 労働訴訟には、一般の訴訟事件と比べ、どのような特色があるのですか?

労働裁判所は存在せず、通常裁判所が労働事件も取り扱いますが、東京や大阪などの大規模な地方裁判所には、労働事件の専門部が置かれています。
一般に、未成年者は訴訟能力(訴訟の当事者として自ら有効に訴訟行為をし、相手方や裁判所の訴訟行為を有効に受けることができる能力のこと)を欠いているため、通常は法定代理人(親権者である両親など)によって訴訟が行われますが、労基法において未成年者は独立して賃金を請求できると定められている(労基法59条)ことから、賃金請求訴訟では未成年者にも訴訟能力が認められています。また、未成年者が法定代理人の同意を得て労働契約を締結した場合は、その労働契約上の請求一般について訴訟能力が認められると解されています。
また、労働関係民事事件(第1審)の平均審理期間は、平成20年1~12月に終結した事件について12.3月とされ、同時期の通常民事事件(第1審)の平均審理期間が8.1月であるのと比べると、およそ1.5倍となっていて、その理由としては、ⅰ)立証の困難性、ⅱ)原告多数の事件の多さ、ⅲ)当事者間の対立の厳しさ、などが挙げられています(最高裁事務総局「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」)。

3 労働審判と訴訟とでは、どのような違いがあるのですか?

まず、迅速性の観点からみれば、労働審判では3回以内の期日で手続が終了し、これに要する期間が3か月程度とされており、訴訟に比べ圧倒的に優れているといえます。
しかし、例えば、労働者が職場復帰による解決を望み、金銭的な解決は一切受け入れられないとする一方、使用者が職場復帰は絶対に認められないと主張しているような、当事者間の対立が鋭く、労働審判が出されても当事者のいずれかが異議を出すことが確実視されるようなケースや、事案が複雑であり、労働審判法24条1項による手続終了が見込まれるケースでは、最初から訴訟を利用すべきであるといえるでしょう。
なお、労働審判に対して異議が出され、訴訟に移行する場合には、急遽、地位保全及び賃金仮払い仮処分命令申立てを行い、訴訟に備えることが多いですが、その際、解雇無効の判断が示された労働審判が出されていれば、それを当該仮処分申立ての疎明資料として利用できるというメリットがあります。

対応方法

1 まずは弁護士に相談!

労働時間に関し、貴社が採れる手段は,ケースバイケースに存在します。もっとも,従業員にとっても勤務条件に関わることになりますので,安易な措置はトラブルを生み,かえって貴社に混乱とコストの負担をかけることにもなりかねません。
まずは,なるべく早くご相談下さい。相談が早ければ早いほどとりうる手段は多いものです。
弁護士は,あなたのご事情を伺い,具体的対応策をあなたと一緒に検討し,最善の解決策をアドバイスします。
貴社のケースでは解雇は有効になるのか否か,具体的な対策として打つべき手は何か,証拠として押さえておくべきものは何か等をアドバイスします。

2 証拠の収集

法的措置に対応する場合はもちろん,交渉による解決を目指す場合も,証拠の確保が極めて重要になります。貴社にとって有利な証拠を出来るだけ確保して下さい。

3 労働者との交渉

まずは,法的措置に進む前に,労働者と交渉して,貴社の望む結果(残業代の減額等)が得られるようにします。
裁判に訴えられる前の交渉の時点で解決できれば,貴社にとっても次のようなメリットがあります。

①早期に解決できることにより,人的負担が回避できる。

法的手続に進んだ場合,労働者に関係する従業員(同僚・上司)はもちろん,経営者にも時間・労力・精神的負担を割くことを要求されます。この負担が日常業務に加わることで,かなりの負担感となります。交渉で解決することによりかかる人的負担が早期に回避できます。

②労働審判・訴訟等の法的手続に進んだ場合より解決金の水準が低い

一般に法的手続に進む場合に比べ,企業が支払う解決金の金額は低いものとなります。

4 裁判対応

労働者との間で交渉による解決が図れない場合は,労働者は自己の権利の実現を求めて裁判を起こす可能性が高いと言えます。具体的には,賃金仮払い仮処分手続,労働審判手続,訴訟手続などがありますが,労働者が事案に応じて手続を選択して,自己の請求の実現を目指すことになります。貴社としては,かかる労働者の法的請求に適切に対応する必要があります。

労働問題.comの対応

1 経験豊富な弁護士に相談

労働問題は適用される法律が難解で事実関係が極めて複雑であり,また,貴社が採るべき対応策はケースバイケースで決めざるを得ません。貴社独自で調査の上でのご対応が,時に誤った方法であることも多分にございます。
そこで,まず,労働問題について豊富な経験実績を有する弁護士にご相談下さい。ご相談が早ければ早いほどとりうる手段は多いのが実際ですので,トラブルが少しでも生じましたら出来るだけ早期にご相談されることをお勧めいたします。
労働問題.COMでは,常に労働問題を専門的に取り扱う経験豊富な弁護士が直接対応させていただいております(原則的に代表弁護士である吉村が対応させて頂きます。)。裁判のリスクを踏まえながら,法律上の問題点を指摘しつつも,抽象的な法律論に終始することなく,貴社が採るべき具体的な対応策を助言いたします。早期のご相談により紛争を未然に防止することが出来た事例が多数ございます。また、その後の交渉・裁判対応においても有利な対応を取ることが出来ます。

2 継続的なご相談・コンサルティング

労使間のトラブルは一時的なものではなく,長期化することがしばしばあります。ケースバイケースに採るべき対応策や確保すべき証拠も異なりますし,時々刻々と状況が変わっていき,その都度適切な対応をとることが必要です。この対応が間違っていた為に,その後の交渉や法的措置の段階で不利な状況に立たされることもままあります。
労働問題.COMでは,経験豊富な弁護士が,継続的なご相談を受けコンサルティングを行います。初期の段階より貴社にとって有利な対応をアドバイスしていきます。それにより,その後の交渉・法的措置にとって有利な証拠を確保でき,適切な対応をとることで,万全の準備が出来ます。また,継続的に相談が出来ることにより安心して他の日常業務に専念していただくことができます。

3 貴社を代理して労働者(弁護士,労働組合)と交渉いたします。

労働者の対応は様々ですが,貴社へ要求を認めさせるために,様々な働きかけをする事が多いのが実情です。労働者が弁護士や労働組合を介して,会社に対し各種の請求を行い,交渉を求めることはよくあることです。弁護士や労働組合はこの種事案の交渉のプロですので,貴社独自で臨むことで,あらぬ言質や証拠をとられ,本来了承する必要のない要求まで認めさせられることもしばしばです。貴社独自でのご対応は,一般的には困難であることが多いといえます。
そこで,労働問題.COMでは,労使間の交渉対応に精通した弁護士が,貴社に代わって交渉の対応を致します。具体的には,貴社担当者から詳細なヒアリングを実施し,証拠の収集等の準備を行った上で,弁護士が法的根拠に基づいた通知書を出し,適切に交渉することで,貴社にとって有利な結論を,裁判を経ずに勝ち取ることも可能となります。

4 裁判対応

労働者が労働審判,仮処分,訴訟などの裁判を起こしてくる場合が近時急増しています。かかる裁判への対応は法律で訴訟代理権を独占する弁護士のみが対応することができます。
但し,労働問題を適切に対応することができるのは労働問題について豊富な経験実績を有する弁護士に他なりませんが,労働問題は極めて特殊専門領域であるため,経験実績がない又は乏しい弁護士が殆どである実情があります。
労働問題.COMでは,労働事件を専門分野とし,裁判対応の豊富な経験実績を有する弁護士が常時対応させていただいております。貴社に対し,最善の弁護活動をお約束いたします。

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